インタビュー調査②

 

そして「普通の人たち」との差異も、苦しみだけでなく新たな発見につながっていく。

つまり「私は私のままでいい」というように自分のペースで生きはじめた当事者たちは客観的な視点を持つようになってくる。こうして彼女たちは社会とのつながりを回復していくのだ。

このように著者は入り込んだインタビューでフィールドワークを進めていた。そして見えてきたことと見えなかったことがあったという。

見えてきたこととは、先ほど述べた社会とのつながりを回復する力だけではなく、継続的に通うことによって得られる心の支えであったり「同じ苦しみをもつ仲間」として経済状況や家庭環境、年齢を超えたグループ意識であったりした。

一方見えなかったこととは、著者の行ったフィールドワークにおけるスタンスである。つまり著者は当事者であることを出発点としていたために、当事者たちへの配慮を欠いてしまったということだ。

この論文において著者が明確にできたことは当事者としての立場を明らかにしたことだと述べている。そしてフィールドワークを行う際に、協力者の善意なくしては研究者にできることは何もないのだと反省点も述べていた。